- 性行為
- わが国では、2000年から2017年の間でのA型肝炎ウイルスの感染者数は一定の範囲に収まっていましたが、2018年に感染者数の増加が確認されました。
2000年~2017年 | 平均 266 例(範囲:115~502 例) | |
---|---|---|
2018年 | 926 例(暫定値) | |
2019年 | 425 例 | |
2020年 | 118 例(暫定値) |
「予防接種に関するQ&A集」一般社団法人日本ワクチン産業協会、2021年8月第21版より作成
監修:順天堂大学医学部・大学院医学研究科 総合診療科学講座 教授 内藤 俊夫 先生
※こちらのサイトは潜在的なリスクを示すもので、本コンテンツに含まれるすべての方々及びすべての二枚貝が、A型肝炎ウイルスに感染しているということではありません。
WHOでは、“A型肝炎の感染リスクは、安全な水の不足や衛生環境の悪さ(汚染された手や汚れた手など)と関連している”と提唱しています1)。
公衆衛生の改善と共に発生は減少し、日本を含む先進諸国では大規模な流行はほとんど見られなくなりましたが、日本における近年の患者報告数は年間500人程度で推移しており、国外感染者がそのうちの2〜3割を占めています。主な感染源は国内感染例では牡蠣などの海産物、寿司、水、患者との接触が挙げられています3)。また、近年では、性行為による性感染症としての注意も行われています4)。
2000年~2017年 | 平均 266 例(範囲:115~502 例) | |
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2018年 | 926 例(暫定値) | |
2019年 | 425 例 | |
2020年 | 118 例(暫定値) |
「予防接種に関するQ&A集」一般社団法人日本ワクチン産業協会、2021年8月第21版より作成
感染者の内訳は、男性が多く(95%)、推定される感染経路別にみると経口感染は35%だったのに対して、性的接触は60%という結果でした4)。
2018年の流行とその後の沈静化について、国立感染症研究所 IASR Vol.40「2018年シーズンのA型肝炎の臨床像について」では
・流行の原因:男性間での濃厚な接触による糞口感染
・沈静化の原因:リスクが高いとされているHIV感染を有するMSM※の方々に対する疾患の啓蒙とワクチン接種の実施
などが考察されています6)。
※ MSM:Men who have sex with men