新生児スクリーニングセンターについて
数字で見る新生児スクリーニングセンター
-
検査委託契約産科施設数
約220施設
-
検査継続年数
40年以上
-
新生児の検査数(累計)
300万人以上
-
契約実施エリア数
10エリア
-
検査項目数
27項目
-
学会発表数
23演題
-
学会認定技術者数
6人
-
新生児スクリーニング
センター社員数32人
※2023年12月時点
センターの歴史
新生児スクリーニングセンターは、一般臨床検査、臨床検査試薬、新生児マススクリーニングと展開し、時代の変化に合わせて事業内容の一部撤退も経験してきました。今後も形や内容は変えながらも、新生児マススクリーニング事業と関連の研究を通して、〝子どもたちの健やかな未来をつくる〟ことに貢献していきます。
1948年 |
財団法人化学及血清療法研究所に臨床検査課を設置 |
---|---|
1971年 |
「登録衛生検査所」熊本県第1号の許可を得る |
1977年 |
新生児マススクリーニング事業を開始 |
2004年 |
厚生労働省研究班に参画し質量分析計を導入 |
2020年 |
新生児スクリーニングセンター竣工 |
イラストで見るセンターの1日
検査の流れ
STEP.1
血液を採取し、検査用紙にしみ込ませる。
産科医療機関などで生まれた生後4〜6日の赤ちゃんのかかとからほんの少しだけ血液を採取し、検査用紙にしみ込ませます。
STEP.2
専用の封筒に入れ、新生児スクリーニングセンターへ。
検査用紙は専用の封筒に入れられ、産科医療機関から新生児スクリーニングセンターへ届けられます。
STEP.3
採血状態を確認し、検査の準備。
適切に採血が行われているか、血液ろ紙の状態を確認し、検査用紙に記載されている情報を登録します。
STEP.4
検査開始! 異常がないか調べていきます。
成長していく過程で代謝の異常が起きる可能性がないか、ホルモンのバランスを崩してしまう可能性がないかなど、いくつもの分析装置を駆使し、検査します。
皆さんの母子手帳にも検査結果が貼ってあるよ!
検査結果は、赤ちゃんの1か月健診で産科医療機関からお母さんに報告されます。皆さんの母子健康手帳にも検査結果が貼ってあるので、ぜひ見てみてください。
センターの1日
1.受入れ・確認
産科医療機関から送られてくる検査用紙を確認します。赤ちゃんの名前、体重等の記載情報や、血液がきちんと乾燥しているか、必要な量が採血されているかなど採血状態を確認します。
2.記載情報の登録
検査用紙に記載してある情報を登録します。
3.検査の準備
血液のしみこんだ検査用紙を直径3.2mmの円形に切り抜きます。
4.内分泌検査
血液に必要なホルモンなどが含まれているかを検査します。
5.タンデムマス検査(質量分析計)
血液に含まれる成分(アミノ酸、カルニチン、アシルカルニチン)を測定することで、1度に20種類程度の病気を検査します。
6.HPLC検査
アミノ酸の代謝異常を検査します。
7.再採血のお願い
検査の中で病気の可能性がある赤ちゃんが見つかった場合は、再検査をするため速やかに再採血をお願いしています。
8.産科医療機関へ報告
検査成績書を作成し産科医療機関へ発送します。検査結果は1か月健診でお母さんに報告されます。
動画で見るセンター
検査法開発と開発中の検査項目
1977年の新生児マススクリーニング事業スタート以降、確実に公費検査を実施しながら、近年は熊本大学小児科との共同研究を通じた拡大スクリーニング検査事業を展開しています。
2004年に厚生労働省の研究班に参画し、タンデムマス検査の有用性の研究を行い、いち早くタンデムマス検査の導入へ向けた取り組みを行い、現在も新たな疾患の検査方法の確立と導入を継続して行っています。
検査法開発について
KMバイオロジクスでは、これまでに熊本大学小児科と新たな検査法の共同研究を開始し、LSD・SCID・SMAについても共同開発した検査法を導入し、各疾患児を発見してきました。
現在までに様々な検査法の開発・特許出願等を行い、検査を導入してまいりました。今後も医療の進歩に合わせ、新たな先天性疾患に対する検査法の開発・導入を行っていく予定です。
検査法に関する特許出願
特許出願年度 | 特許状況 | 開発した検査法 |
---|---|---|
2016年 | 登録 | ライソゾーム病3疾患(ファブリー病、ポンペ病、ゴーシェ病)責任酵素の迅速マススクリーニング検査法 |
2016年 | 登録 | ライソゾーム病2疾患(ムコ多糖症Ⅰ型、ムコ多糖症Ⅱ型)責任酵素の迅速マススクリーニング検査法 |
2016年 | 登録 | 乾燥血液ろ紙を用いた低ホスファターゼ症のマススクリーニング検査法 |
2016年 | 登録 | 先天性代謝異常症6疾患の同時スクリーニング検査法 |
2020年 | 登録 | 重症複合免疫不全症に対するスクリーニング検査として、簡便・迅速かつ従来法よりリテスト率および偽陽性率を低減する方法 |
※2023年12月時点
検査法開発には最新の機器を用いています。
開発中の検査項目
- 副腎白質ジストロフィー (adrenoleukodystrophy;ALD)※
- アデノシン・デアミナーゼ(adenosine deaminase;ADA)欠損症※
- LSD2次検査(タンデムマス装置での測定)
- 副腎過形成症2次検査(タンデムマス装置によるステロイド測定)
- ※2024年度検査可能となる予定
お問い合わせ
検査や試験項目に関するお問い合わせは、下記までご連絡ください。
KMバイオロジクス株式会社 新生児スクリーニングセンター
電話番号:096-345-7847(センター直通)
受付時間:9:00~17:30(土日祝日・当社休業日を除く)