ヒト用ワクチンへの想い(インフルエンザワクチン)

KMバイオロジクスでは、季節性インフルエンザワクチンの製造・供給に加え、新型インフルエンザによるパンデミックが発生した際には、新型インフルエンザワクチンの製造・供給も担うことになります。
KMバイオロジクスは国民の皆さまの健康を守るため、日々業務に取り組んでいます。

季節性インフルエンザワクチンについての想い

毎年流行するインフルエンザの感染予防および重症化予防のためにワクチンを製造しており、国⺠の皆さまが必要な時に安⼼してワクチンを接種できるよう、関係部署が一丸となり取り組んでいます。安定供給と製品品質にかける、担当者の想いをご紹介いたします。

製造者の想い

生産本部 熊本工場 ワクチン第二製造部 第一課
東田 蓉平、課長・大川 寛幸、上野 伶奈

国民の皆さまのインフルエンザ感染予防および重症化予防のため、安心・安全な製品を、安定して供給することが私たちの使命です。インフルエンザワクチンは4種類のインフルエンザウイルス(製造株)を有効成分として製造に使用していますが、毎年の流行状況に合わせて製造株が変わるため、ウイルスの増殖性(生産性)も毎年変動します。1本でも多くのワクチンを全国の医療機関にお届けするため、4種類の製造株を用いて、バランスよく製造することがインフルエンザワクチンの難しい点ですが、やりがいを感じるところでもあります。

製剤検査担当者の想い

生産本部 熊本工場 製剤部 製剤検査課
課長・北里 正也、三島 純

製品に異物が混入していないことを確認するために、「機械の目(機械検査)」と「人の目(目視検査)」を駆使してインフルエンザワクチンの外観検査を実施しています。目視検査は教育・訓練を経て認定を受けた多くの検査員が作業に当たります。安心・安全な製品を国民の皆さまに届けるべく、使命感と緊張感を持って検査を実施しています。

包装担当者の想い

生産本部 熊本工場 製剤部 包装課
山下 達也、課長・行成 純平

インフルエンザワクチンの接種は毎年10月~12月に集中します。必要な時期に必要とされる量をお届けするため、昼夜を問わず製品の包装を行っています。
包装工程では、法で定められた内容の印字が行われているか、内容物に過不足がないかを、全ての製品に対して検査しています。

物流担当者の想い

生産本部 SCM部 物流管理課
課長・江口 円俊、野﨑 由貴惠

熊本から全国の医療機関に最短で納品できるよう調整を行っています。そのためには社内の連携はもちろんのこと、運送会社さま、販売会社さまとの細かい調整が必要です。6月頃から、出荷・納品スケジュールについて、時間単位での調整をし、インフルエンザシーズンに臨みます。国家検定合格後、実際に出荷が可能になるのは、夕方~夜になることもあります。また、最短での出荷を目指して、土日祝日の対応も行います。国民の皆さまが必要とされる時期に早く接種できるよう、万全の体制で取り組んでまいります。

新型インフルエンザワクチンについての想い

過去数十年間に流行したことがない種類のインフルエンザウイルスが人の間で感染して流行を起こした時、そのウイルスは新型インフルエンザウイルスと呼ばれます。
KMバイオロジクスでは国民の約半数に当たる5,700万人分の新型インフルエンザワクチンの製造・供給を担うことになります。開発や製造、製品品質にかける担当者の想いをご紹介いたします。

開発者の想い

研究開発本部 製品開発部 開発第一課
課長・遠藤 昌史

開発当時は新型インフルエンザによるパンデミック発生の危機が高まっている中でしたので、特に責任感や緊張感、スピード感を持って業務に取り組んでいました。
「安全かつ有効性が高いワクチンを、ひとりでも多くの方々へ、可能な限り迅速にお届けすること」を実現するため、開発を進めたことを今でも鮮明に覚えています。

製造担当者の想い

生産本部 菊池工場 菊池製造部 第二課
堤 万祐、課長・乾 秀昭、鳥居 佑太

全国民の約半数にあたる量のワクチンを供給するため、最新のGMP要求を満たした自動化・省力化の製造システムを導入しています。
新型インフルエンザワクチンが必要となった際に速やかに製造できるよう、平時においても原材料を備蓄し、設備の稼働体制を維持しています。

  • ※製造業者および製造販売業者に求められる「適正製造規範」(製造管理・品質管理基準)のこと

品質保証担当者の想い

信頼性保証本部 品質保証統括部 菊池阿蘇品質保証課
内田 俊輔、課長・熊丸 哲也

ワクチンの品質保証は高い知識が必要な難しい業務ですが、感染症予防に貢献できる高品質な医薬品を供給するため、「自分の子供に自信を持って勧められるか」、「第三者に説明し、納得が得られる製造や試験が行われているか」というユーザーの視点を忘れずに、常に仕事に取り組んでいます。

(氏名は写真並び通り、所属部署・役職名等は取材当時のもの)

新型インフルエンザワクチンに関連する設備

原液製造工場

こちらは新型インフルエンザワクチンの原液製造工場として、2012年12月に竣工しました。パンデミック発生時には凍結保管された細胞を用いて製造株を培養し、不活化や精製などの工程を経て、半年間で5,700万人分のワクチンに必要な原液を製造します。
また、ワクチンによる免疫効果を増強するアジュバント(免疫賦活化剤)も、この工場で製造されます。

製剤化工場

こちらはパンデミック発生時の製剤化工場として、2017年9月に竣工しました。
バルク調製工程、充填工程、包装工程を担っており、パンデミック発生時には、他の当社工場の製剤化設備と合わせて、5,700万人分のワクチンを供給できる体制を構築しています。
今後、ヒト用ワクチンの製剤化工程の新たな拠点とする計画です。

  • ※ワクチン原液へ安定剤等を添加し、ワクチンの仕上げを行うこと

配送センター

こちらのセンターでは、新型インフルエンザワクチン5,000万人分を保管可能な自動立体冷蔵倉庫を保有しています。
電子キーによる入退室管理、防犯カメラによるセキュリティ対策に加え、免震構造と自家発電装置により、地震等の大規模自然災害にも備えています。