3回接種しても抗体が付かない(免疫応答が悪い)場合はどうしたらいいですか。

用法・用量

ビームゲン®注0.25mL/0.5mL

添付文書には以下の記載があります1)
「能動的HBs抗体が獲得されていない場合には追加注射する。」
また、「予防接種に関するQ&A集2022年度版」には以下の記載があります2)
「1シリーズ(3回接種)が完了しても抗体ができない(免疫反応不応答者:non responder)あるいは抗体反応が悪い人(low responder)の頻度は全被接種者の10%前後とされています。何回まで追加接種すればよいという目安はありませんが、日本環境感染学会の『医療関係者のためのワクチンガイドライン 第3版』では、『1回のシリーズで免疫獲得とならなかった医療関係者に対してはもう1シリーズのワクチン接種を考慮する』ことが推奨されています(もう1シリーズ(3回接種)により再接種者の30~50%で抗体を獲得すると報告されています)。
なお、2 シリーズ接種(合計6回)しても抗体陽転しない場合には、『それ以上の追加接種での陽性化率は低くなるため、“ワクチン不応者” として血液・体液曝露に際しては厳重な対応と経過観察を行う』としています。また『このような者がHBVへの曝露があった場合、米国ガイドラインではHBIGを、直後と1か月後の2回接種を推奨している』と記載されています。
医療関係者以外の場合には、通常HBVに曝露するリスクは医療関係者より低いので、2シリーズの接種で抗体陽性化がみられなかった場合は、同様に以降のワクチン接種は行わず、HBV曝露時には、HBIGで対応するのが妥当であると考えられます。」

【引用】
1)ビームゲン®注0.25mL/ビームゲン®注0.5mL 添付文書
6. 用法・用量
<B型肝炎の予防>
通常、0.5mLずつを4週間隔で2回、更に、初回注射の20~24週後に1回0.5mLを皮下又は筋肉内に注射する。ただし、10歳未満の者には、0.25mLずつを同様の投与間隔で皮下に注射する。
ただし、能動的HBs抗体が獲得されていない場合には追加注射する。
<B型肝炎ウイルス母子感染の予防(抗HBs人免疫グロブリンとの併用)>
通常、0.25mLを1回、生後12時間以内を目安に皮下に注射する。更に、0.25mLずつを初回注射の1箇月後及び6箇月後の2回、同様の用法で注射する。
ただし、能動的HBs抗体が獲得されていない場合には追加注射する。
<HBs抗原陽性でかつHBe抗原陽性の血液による汚染事故後のB型肝炎発症予防(抗HBs人免疫グロブリンとの併用)>
通常、0.5mLを1回、事故発生後7日以内に皮下又は筋肉内に注射する。更に0.5mLずつを初回注射の1箇月後及び3~6箇月後の2回、同様の用法で注射する。なお、10歳未満の者には、0.25mLずつを同様の投与間隔で皮下に注射する。
ただし、能動的HBs抗体が獲得されていない場合には追加注射する。
2)予防接種に関するQ&A集,p.128(Q12),2022